新型コロナの法律上の位置付けが、季節性のインフルエンザと同じ5類に移行して5月8日で1年です。社会はコロナ禍前に戻るのではなく、新しい時代への移行が鮮明になっています。

5月4日、ゴールデンウィーク後半の倉敷美観地区です。見渡す限り観光客であふれました。コロナ禍で閑散としていた頃と比べると、違いは明らかです。観光客からもコロナ禍と比べる声が聞かれました。

(観光客)
「赤ちゃんが小さくて。でもコロナもましになったので出かけてみようと思った」
「去年、何したっけ。どこも行っていない。ぜんぜん行く感じではなかった」

新型コロナが5類に移行したのは、2023年のゴールデンウィークが終わった後の5月8日。この1年でにぎわいが復活しています。

岡山・香川の宿泊者の数で見ると、23年の夏休みシーズンは、コロナ禍前の2019年に及ばないもののおととしより回復。冬休みシーズンは2019年を上回るようになっています。

高松空港の利用者は23年度約180万人、岡山空港は約130万人と、どちらも2019年度と比べて約9割に回復しました。国際定期路線の復活で外国人観光客の増加も追い風となっています。

一方、1年経った今も観光地ではマスク姿の人が見られ、こんな人も。

(外国人のカップル)
「フィリピン(出身)。アメリカから」

取材に応じる外国人カップルもマスク姿。岡山・香川でもコロナ禍の生活様式が定着しています。

新しい時代は医療機関にも。岡山市立市民病院では、出入口での入場制限を緩和しましたが、入院患者との面会は午後1時半から午後4時まで、原則家族だけで1回30分以内という制限を続けています。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「比較的、風邪症状で済む人が比較的多いが、一部の合併症がある人は体調を崩して呼吸器症状が強めに出た人も毎日5人程度入院しているので終わっていない。感染症として注意する必要がある」

この1年の感染状況を見ると、岡山、香川でも夏と冬の頃に、大きな波が来ていました。重症化するケースは少なくなりましたが、医療機関では感染症への警戒を新たな日常として定着させています。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「一般社会で安全になってきた状況と比べて常時、院内感染を起こさないということを20年くらいかけて築いたこともあり感染者が多いときは(さらに)出入り口の制限などメリハリをつけてやる時代になっている」

5類への移行から1年。社会はコロナ禍をベースにした新時代を歩み続けています。

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