6月のカレンダーに祝日はない(写真はイメージ)=ゲッティ
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 大型連休が終わりを迎えた。「えっと、次の祝日はいつだっけ」と、うつろな目でカレンダーを眺めた人はお気づきだろう。次の「海の日」(7月の第3月曜日)まで69日間も祝日がないのだ。SNS(ネット交流サービス)上では「6月は地獄」「6月祝日つくれ」など悲痛な投稿が目に付く。実際に新たな祝日制定を求める動きもあるが、実現の可能性はあるのか。

祝日がない6月と12月

 祝日は基本的に議員立法で定められる。これまでに議員立法による法改正を重ね、現在は年間16日の祝日がある。

 最新の祝日は2016年に新設された「山の日」(8月11日)。超党派の国会議員でつくる「山の日」制定議員連盟が祝日法の改正案をまとめ、当時の与野党が共同提出し、8月にも祝日が誕生した経緯がある。

 では、なぜ6月に祝日はないのだろうか。祝日法を所管する内閣府の担当者は「特に理由はないです。祝日法は国会で議論し、国民に広く理解してもらって定めることになっています」と説明する。

 6月と同じく祝日がないのが12月だ。だが、11月23日の勤労感謝の日から元日まで、祝日のない期間は5月の大型連休明けから海の日までの半分ほどの38日間に過ぎない。

新たな祝日候補

 祝日の「空白期間」を短くするための具体的な動きもある。

 大阪市阿倍野区で時計店を営む、NPO法人日本時計学技術研究会代表の玉田寿夫さん(70)らが求めるのは、6月10日の「時の記念日」を祝日にすることだ。

6月10日の「時の記念日」に街頭で行われた時計の無料調整=東京・浅草で1953(昭和28)年6月10日、山内巌撮影
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 「海の日なんて突然に出てきた。それに比べたらずっと歴史がある」。玉田さんが言うように、「時の記念日」の起源は古い。

 天智天皇が671年に漏刻(ろうこく)と呼ばれる水時計などで初めて時を人々に知らせた日が、現在の暦で6月10日に当たるのが由来で、日本書紀に基づく。

 記念日となったのは、1920(大正9)年。渋沢栄一らが役員として名を連ねた「生活改善同盟会」が「時間を正確に守ること」を目標に掲げ、「時間尊重」の考えを広めるために働きかけた。

 「日本人は、時間を守ることについては他の国を寄せ付けません。その正確さはどこから来たのか、年1回くらい考えてもよいのではないでしょうか」

 玉田さんは、時の記念日を広く知ってもらいたいとの思いで、5年ほど前から国会議員に祝日化を要望するなど活動をしている。

両手を上げ天を仰ぎ、空気に感謝する山形県朝日町の町議ら。朝日町議会は「空気の日」を祝日にするよう求める意見書を国に提出してきた=山形県朝日町で2014年6月5日、山中宏之撮影
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 一方、空気をご神体とする空気神社がある山形県朝日町は、世界環境デーの6月5日を、町の条例で「空気の日」と制定。「空気の日」を祝日にするよう求める意見書を町議会が国に提出してきた。

良いことばかりではない?

 では、6月に祝日が誕生する可能性はどれほどあるのだろうか。

 内閣府の担当者は「余暇時間が増える一方、病院が休診となることで困る人もいる。経済も止まる。祝日が増えることが一概に良いとは言えない」と慎重だ。【畠山嵩】

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