深町陸夫さん開設したパンダ園で遊ぶ子どもたち=奈良市帝塚山南5で2024年4月26日、山口起儀撮影

 奈良市帝塚山南5の深町陸夫さん(93)が自宅隣の所有地に誰でも自由に過ごせる広場を開設し、子どもたちの遊び場として人気だ。4年ほど前に“開園”。フェンスにパンダのイラストを飾って楽しい雰囲気を演出し、「パンダ園」として親しまれている。【山口起儀】

 4月の平日午後、高台にある台形状の広場で子どもたちのにぎやかな声が響き渡っていた。ボール遊びやパンダの乗り物で楽しそうにはしゃぎ、追いかけっこをしながら夢中で遊んでいる。

 使っていなかった約300平方メートルの土地を整備した。どう活用するかと考える中で「周囲の公園はボール遊び禁止などの制限がある。思いっきり駆け回れる場所があれば、子どもたちも外で遊ぶようになる」と思い立ち、制限がない私設公園にすることにした。

 親しみやすいようにとパンダをテーマにした。地面にはタイルで描いたパンダのモザイク画があり、遊園地にあるようなパンダの乗り物もある。深町さんが作った木製ブランコは子どもに人気。昼間は園児らが遊び、夕方は小学生らが目立つ。

 高台からの眺望が良く、家族連れや高齢夫婦も散歩がてらに立ち寄る。春や秋には敷物を敷いておしゃべりを楽しむ子どもたちもいる。

 深町さんは「多くの人が喜ぶ姿を見ると、公園にしてよかったと思う」と目を細める。「多くの子どもたちが一緒に遊ぶことは、助け合いや譲り合いの気持ちを養う機会になる。遊びを通じて、大人になってから生かせる知恵や考える力を育んでほしい」

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