まもなく、元日の地震から1年。
青井実キャスターが、本格的な冬が訪れた能登半島を取材しました。

青井キャスターが向かったのは、地震後の激しい炎で焼けつくされた輪島の朝市。
発生から1カ月が経った頃はがれきが手つかずのままでしたが、半年後には徐々にがれきの撤去が進んでいました。

能登半島地震の犠牲者は500人を超える見込みです。
そのうち、避難所生活などの原因による災害関連死は276人で、熊本地震を上回っています。

24日、その災害関連死のうち、石川県では約8割が発災から3カ月以内に亡くなっていたことが新たに分かりました。

地震からまもなく1年。
復興は思うように進んでいません。

倒壊したままの建物が残る場所で営業している、輪島唯一のしょうゆ蔵「谷川醸造」。
商品は並んでいますが、どれも自分たちのしょうゆ蔵で造ったものではないといいます。

谷川醸造4代目・谷川貴昭社長(47):
以前はここのベースになるおしょうゆは木おけでうちで作ってたんですけど、同じように木おけとかを使ってる友人のおしょうゆ屋さんに今は購入して。

しょうゆの味を決める酵母菌が住み着く木のたるは、蔵の倒壊で今も使えません。
谷川さんは「(木だるが)全部使えなくなるということを考えたり見たりするのは、なかなかしんどい」と話します。

しょうゆのもととなるもろみは雨ざらしに。
先祖代々受け継がれてきた味を守る試行錯誤が続いています。

谷川醸造4代目・谷川貴昭社長(47):
少しずつしか進まないもどかしさと、たくさんの人が作業している、感謝の気持ちと、色んな感情が入り乱れている。

そんな中、被災地にクリスマスが。
輪島市内でケーキやパンを販売しているお店「くまのおうち」には、かわいいサンタがのったクリスマスケーキが並びました。

地元客:
仮設住宅の方にいるので、いつもならクリスマスツリー出したりとか色々してたんですけど、置くスペースがない。パーティーまではしないけど、ちょっと食べようかなと。

工房ではケーキ作りの真っ最中。
この場所も、地震の直後は大きな被害を受けました。

「くまのおうち」店主・古川まゆみさん(41):
(Q.今年のクリスマスをどんな思いで迎えた?)あの時は本当に、こんなクリスマスを迎えられると思ってなかったので、本当にうれしいです。その一言ですね。

店主の古川さんは地震から1週間でお店を再開し、地域を支えてきました。

大きな災害を経験しながらも、2024年も変わらず輪島の人々にクリスマスケーキを届けます。

「くまのおうち」店主・古川まゆみさん(41):
本当にこんなことが…、うれしいです皆さんにこんな。(Q.悲しさもあった中でうれしさも?)そうなんです。本当にうれしい気持ちでいっぱいです。みんなに届けられることっていううれしさがこみ上げてきてます。

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