「ビットコインを買うんだ。1時間以内に送金しないと!」――。取り乱す70代男性を詐欺から守ったのは、北海道内の支店窓口で毎日客と接する銀行員だった。この支店は今年だけで3回、詐欺被害を防いでいる。詐欺を見抜くため、どんなことに注意を払っているのか。
11月18日、北洋銀行白石中央支店(札幌市白石区)の窓口に緊張が走った。
「投資で利益が出ていて、7倍になるんだ。振り込めなくて損失が出たら北洋銀行は責任取れるのか!」
振り込みの手続き中、焦りで声が大きくなる70代男性の様子に、パート従業員の岸田小百合さん(41)はピンときた。「投資詐欺かもしれない」
岸田さんは今年1月にも30万円の架空料金請求詐欺を防いだ、同店屈指の対応力の持ち主だ。「振込先を確認させてくださいね」と冷静に声をかけながら上司に報告し、道警白石署にも連絡した。
70代男性はマッチングアプリで知り合った女性に投資アナリストを紹介され、投資が成功していると信じ込まされていた。駆け付けた署員に詳細を話すうち、振込先は詐欺口座だったことが判明。約134万円の被害を防ぐことができた。
岸田さんや岡本亮・同支店長によると、詐欺被害防止の要注意ワードは▽投資▽コンサルタント▽アナリスト▽元本保証――などで、接客中にこうした言葉に気を配る。
慌てている人や、LINEでのやり取りを基に説明する人にも注意が必要だ。
時折「なんで詳細を言わないといけないんだ」と反発する客もいるというが、岸田さんは「お金を失う悲しい思いはしてほしくない。これからも声かけナンバーワンを目指します」と笑顔をみせた。
同支店は近隣の金融機関との勉強会や防犯訓練などに積極的に取り組んでおり、2015年から計5回、総額450万円分の詐欺被害を阻止している。こうした点が評価され、23日には道警の久田悟生活安全部長から感謝状を贈られた。
道警生活安全企画課の西中智則警部は「金融機関の窓口は詐欺防止の最後のとりで。引き続き協力して被害を減らしたい」と話している。【後藤佳怜】
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