屋根のかやがふき替えられ、さっぱりして新年を迎える三重県伊賀市上野相生町の武家屋敷「入交(いりまじり)家住宅」(県指定文化財)に、日本画家の津田親重さん(71)=名張市=が襖(ふすま)絵4作品(襖10面)を新たに寄贈した。津田さんはこれまでに4作品(襖12面)を贈っている。
津田さんは2024年、画家としての活動50周年を迎え、これまでの集大成として襖絵を描いた。約1年かけて制作した4作品は玄関の隣の次之間の「伊賀上野城」(2面)、その奥の座敷の御斎(おとぎ)峠から眺めた伊賀盆地の風景「伊賀越え」(同)、庭に面した居間の津、伊賀両市境にそびえる「伊賀富士(尼ケ岳)」(3面)、隣の奥之間の「牡丹(ぼたん)」(同)。牡丹の襖絵の1面は幅97センチ、縦173センチだった。
贈呈式は14日、住宅内であり、津田さんは「大変栄誉ある仕事ができ、絵描き冥利に尽きます」と語った。住宅を所有する伊賀市の稲森稔尚市長は「PRに力を入れて活用を進めます」と感謝状を手渡した。
すでに寄贈した4作品は「月」(2面)、「白藤の滝」(4面)、「昇龍」(同)、「しだれ桜」(2面)。普段は白系の無地の襖だが、25年2月24日までは津田さんの合計8作品(22面)が見られる。火曜と29日~1月3日休館。【大西康裕】
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