15日、茨城・笠間市の愛宕神社で、“日本三大奇祭”の一つともされる「悪態まつり」が開催された。「手取り上げろ!」「いつまで俺に彼女できないんだ!」など、祭りの参加者は、思い思いの不満を爆発させていた。
罵声を浴びせられる“天狗役”となった人からは、「とても楽しくつらかった」との声が聞かれた。
「ばかやろう!」怒号飛び交う“奇祭”
神社の境内に響き渡る「ボーナスは満額くれよばかやろう!」「早く配れよばかやろう!」といった怒号と罵声。
この記事の画像(20枚)小さな子どもまでもが「ばかやろう!」と叫ぶ。
茨城・笠間市の愛宕神社で、15日に行われたのは、日本三大奇祭の一つともされる「悪態まつり」。
白装束に身をつつんだ“天狗”が山道を歩きながら、祠(ほこら)にお供え物をしてまわる行事だ。
どんな悪口を叫んでもおとがめなしということで、参拝客が「天狗遅いぞこの野郎!早く来いよ!」「愛だの恋だの何なんだ!ばかやろう!」などと、次々と天狗に罵声を浴びせていく。
一説によると、地元の領主が住民の不満を悪態の中から探ろうとしたことが由来だとか。
ということで、「食料品上がりすぎだよばかやろう!「手取り上げろ!手取り!!」「いつまで俺に彼女できないんだ!ばかやろう!」などと世相を反映した不満などを次々と天狗にぶつけていく。
祭りに参加した人からは「暴言吐けるいい機会。人前で出さない分、ここで出そうかなと」という声が聞かれた。
「東京から来ました。このために来ましたね。配信で見て面白そうだったで」と話す男性は「人に仕事押しつけて退職してるんじゃねーよ!」と仕事の不満を叫んでいた。
コスプレ姿で参加した人も「103万円の壁早くやれ、ばかやろう!」と言った後、「すっきりしますね。やっぱ普段我慢してるだって自分で分かります」と話した。
“天狗”は会話も禁止
一方、参拝客から次々と罵声を浴びせられる“天狗”たち。
言い返すことはおろか、話すことも禁じられている。
2024年初めて“天狗”に選ばれたという人たちは「弟がきのう熱が出てしまって急きょ代役で。誰かがやらなければいけないので」「なかなかできることじゃないので光栄な気持ちもいくらかあります。楽しみですね」などといった声が聞かれた。
また“天狗”の家族からは「パパには『お酒飲みすぎだばかやろう』って言おうかなと」という声が聞かれた。
天狗は、さまざまな罵声を浴びながら、黙々と山道を歩いていく。
「給料あげろ!」叫ぶ女性たちも
一方、祭りではこんな場面も見られた。
「言ったら聞こえちゃいそうじゃない?言っちゃおう、言っちゃおう」と話し、「給料上げろ!」と叫んだ女性たち。
すると後ろから来た男性が、「ボスです。給料あげろとか?なんとなく分かった」と話した。
天狗「こんなに罵声受けるとは」
天狗たちが巡礼を終えると、いよいよメインイベントの餅まきだ。
「餅だよ餅!餅よこせ!!」と、ここでも参拝客の罵声を浴びた天狗たち。
祭りは「ばかやろう三唱」でフィナーレを迎えるはずだったのですが、総代会長がかんでしまい、最後の最後まで罵声を浴びる結果となった。
祭り終了後、天狗を演じた男性に話を聞くと「こんなに罵声を受けるとは思いませんでした。とても楽しくつらかったです」と答えた。
「悪態まつり」は、毎年12月の第3日曜日に行われ、2025年は12月21日に開かれる予定だ。
(「イット!」12月16日放送より)
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