北九州市小倉南区のファストフード店で14日夜、中学3年の男女2人が殺傷された事件で、男子生徒(15)に対する殺人未遂容疑で逮捕された同区長尾2の無職、平原(ひらばる)政徳容疑者(43)は事件後、自宅に閉じこもり、出前を取るなどして過ごしていたとみられることが関係者への取材で判明した。
県警によると、平原容疑者は一軒家で1人暮らし。容疑者宅から約1・5キロ離れたそば店の男性店主によると、平原容疑者は事件2日後の16日から3日連続で昼間に出前を依頼。16、17両日はいずれもカツ丼とざるそば、18日はカツ丼とごぼう天うどん、いなりずし、かしわおにぎりを注文したという。
出前を受け取る平原容疑者はスエット姿で、ズボンは汚れているように見えたと話す男性店主。会話はほとんどなく「何か言っていたようだが、聞き取れなかった」と振り返る。家の奥は薄暗く、ゴミ袋が積まれていた。逮捕前日の18日に訪れた際は平原容疑者は落ち着きがなく、片手にビール瓶を持ったままま出前を受け取ろうとして瓶を落としたという。
県警は19日午前、平原容疑者の自宅に捜査員を派遣。外から声をかけたが、反応がなかったため、防刃ベストを着用するなどした捜査員らが1階東側の窓ガラスを割って突入し、居間の椅子に座っていた平原容疑者を逮捕した。
報道で逮捕を知った男性店主は「驚いた。私にも中学生の孫がいるが、許せない」と話した。【山口響】
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