積み直された石垣の一部分=青森県弘前市の弘前城で2024年12月19日、江沢雄志撮影

 青森県弘前市の弘前城で約100年ぶりに本丸東面の石垣を解体して行われていた積み直し工事が19日、完了した。約3年半に及ぶ工事を終え、今後は天守の基礎部分の耐震補強などを経て、元の姿に戻る予定だ。

 この日は桜田宏市長が見守る中、市の担当者が「最後の石を積み上げます」と宣言し、積み直し作業の最後となる2185個目の石がクレーンでつり上げられた。石垣まで運ばれ、石工たちの手で微調整され元の位置に。修理前の写真と見比べた桜田市長は「時間はかかったがようやく終わりほっとしている」と話した。

 弘前城では、経年劣化などにより本丸東側の石垣が外側に膨らみ、地震で崩落する危険性が出たため、2017年に解体に着手。21年から改めて積み直しが始まった。江戸時代以前に築かれた天守として東北で唯一現存し、国の重要文化財にも指定されている天守は、耐震補強を行った上で石垣の上に戻す計画だ。【江沢雄志】

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