横浜市は16日、横浜国際プール(都筑区)の再整備原案を、市議会常任委員会に提示した。素案で示したメインプール廃止を維持する一方、練習用プール棟の整備やサブプールの観客席増、アクセス環境整備などを盛り込んだ。素案に寄せられた市民の意見を踏まえた措置という。
国際基準を満たすメインプール廃止を巡っては、水泳関係団体が3度にわたり存続を要請した。日本水泳連盟の鈴木大地会長と山中竹春市長のトップ会談を市は拒否し、廃止の方針を崩していない。
原案によると、メインプールを廃止し、通年スポーツフロアに改修する▽観客席数は現行の約5000席から6000席以上に増やす▽大型映像装置を始め、空調・音響設備を更新する。
市は通年フロア化による再整備と、39年間の運営にかかる費用を約256億円と見積もる。床転換の現状維持よりも48億円、通年プール化よりも56億円削減できると試算した。また、水泳大会時のウオーミングアップや水泳教室を想定し、25メートル×5レーンを備えた「練習用プール」棟を整備。バリアフリートイレや多目的スペースも設ける。
サブプールは長水路(50メートル)を生かしながら、355席の観客席を700席に増やす。エントランスからプールサイドまでのバリアフリー動線を確保する考え。
最寄り駅の市営地下鉄北山田駅からの最短アクセスルートは、高低差約17メートルの階段だが、新たにモノレールを整備する。車イスやベビーカーでも施設を利用しやすくする。
原案通りの再整備で、市はメインプールで2023年度開催の主要15大会のうち、12大会がサブプールでの実施が「施設の規格上、可能になる」と想定する。
横浜国際プールのメインアリーナは床が可動式で、夏季メインプール、冬季スポーツフロアとして使用している。施設は1998年の開館から25年以上が経過し、老朽化で大規模な設備更新などが必要だとされる。【岡正勝】
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