性暴力救援センターを、公的病院を拠点に存続させるよう求めた請願が、大阪府議会で不採択となりました。
今後は病院と連携する形を目指すことになります。
【大阪府議会】「請願第16号2項は不採択とすることに決定いたしました」
大阪府議会で不採択となったのは、性暴力被害者のための支援センターを、公的病院を拠点に存続させるよう求める請願です。
「性暴力救援センター・大阪SACHICO(サチコ)」は、2010年から大阪府松原市の民間病院を拠点に、24時間体制で性暴力被害者の支援にあたってきました。
しかし、医師の不足などで通常の診療との両立が難しくなり、来年3月で病院から退去することに。
被害者とその家族らは12月4日、公的病院を拠点とし、1カ所で支援が受けられる形で存続させることを求めた署名と請願を大阪府議会に提出しました。
■吉村知事は「委託事業という形にして責任をもって進めていく」
しかし、15日の本会議では、公立病院を拠点とすると、病院側の負担が大きくなるとしたうえで、「複数の病院や相談機関との“連携型”で存続させるべき」などとして、請願は不採択となりました。
【大阪SACHICOの存続と発展を願う会 代表佐藤晴美さん】「(請願の不採択は)すごく残念だと思っています。当事者がこんな風にしたい、してほしいという意見を取り入れた、ワンストップ支援センター作りをしていってほしい」
大阪府の吉村知事は…
【大阪府 吉村洋文知事】「一つの病院に頼るのではなく、連携病院と連携する形でSACHICOの拠点を設置することが重要。今まで補助事業という形でしたが、大阪府としても委託事業という形にして責任をもって進めていく、支えていく必要があると思っています」
大阪府は今後、速やかに外部の有識者からなる検討会議を立ち上げる意向を示しています。
■被害者本位の新たな制度づくりできるか
【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「今までSACHICOが求めてきた形は、民間病院の中に支援員がいて、そこに性暴力被害を受けた方が来る。医者もいて、カウンセラーもいて、一つの場所で治療も受けられる。
大阪府は、病院に負担がかかりすぎているとして、連携型を目指すということです。相談センターが窓口となっていますが、被害者の方は自分で近くの病院に行かなければならない。そして、その病院に理解のある支援員が必ずしもいるわけではない。被害者の方にとっては、負担のかかる形になってしまう。SACHICOとしては、できれば(これまでの)病院型がよかったということです。
今回、吉村知事は『委託という形で前に進めたい』と話しました。これに関しては、SACHICOとしても、予算の規模が増えますから、委託を受けたほうが、費用は増える。どういう内容での委託になるのか、SACHICOも交えて、話し合わなければいけないと思います」
【共同通信社編集委員 太田昌克さん】「被害者本位でやってほしい。14年間もやってきた仕組みですから、被害者の方、救われた方も少なくないと思うんですよ。そのような被害者の方の声も聞いて、きちんと政策を評価したうえで、よりよき被害者本位のための制度づくりをしてほしいです」
(関西テレビ「newsランナー」2014年12月16日放送)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。