自身の言葉の「日めくり」を発行した観音寺住職、小藪実英さん。8年ぶり8作目=京都府福知山市観音寺の観音寺で2024年12月9日午後4時12分、庭田学撮影

 京都府福知山市の観音寺住職、小藪実英(じつえい)さん(73)が、自身の言葉でつづった「心が元気になる日めくり」を発行した。8年ぶり8作目の日めくりカレンダー。季節の花々の絵は次女の上田慶子さん(33)が描いた。小藪さんは「閉塞(へいそく)感が漂う世の中、ちょっとした言葉で心が楽になる。行き詰まったり、苦難にぶつかったり、悲しんだりしている人に言葉が届き、お役に立てれば」と話している。

 小藪さんは兵庫県立高校で17年間、国語を教えた。1991年に実家である観音寺の住職になった後、エッセー集や詩画集を出版。「パッと浮かんだ言葉を書き留める」。思いついた言葉を整理したノートは十数冊にもなる。多くの人に言葉を届けるため、日めくりも発行してきた。

京都府福知山市の観音寺の住職、小藪実英さんが発行した「日めくり」の一部=福知山市内で2024年12月10日午前9時50分、庭田学撮影

 「人生はころんだあとが大事」「心を開けば人はみな温かい」「人間の数だけ失敗もある」「夢は持ち続けることで叶(かな)う」――。新作の日めくりには、小藪さん直筆の31の言葉が収められている。「形式にこだわらない自由な言葉。今回はできるだけ短い言葉で、人の気持ちにすっと入れるように考えた」という。

 日めくりを作る時、言葉をチェックするのは妻の明美さん(63)だ。「妻に『しょうもない』『あかん』と言われたらボツですわ。坊さんの感覚は世間と異なることがある。妻がチェックしてくれるから受け入れられる」と感謝する。

 心を元気にする言葉を人々に届けることが「生涯の仕事」という小藪さんは「言葉はすごい力を持っている。言葉が独り歩きし、いろんなところに行ってお役に立てることがある。続けていかないといけない」と話す。

 新作の日めくりは1冊1100円。観音寺や同寺のホームページで、過去の日めくりも購入できる。問い合わせは観音寺(電話0773・27・1618)。【庭田学】

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