自らデザインしたウエディングドレスとともに立つ桂由美さん=東京都港区の桂由美ブライダルハウスで2023年1月17日、手塚耕一郎撮影
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 ウエディングドレスを日本に普及させた第一人者でブライダルファッションデザイナーの桂由美(かつら・ゆみ、本名・結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが26日、死去した。94歳。

 東京都生まれ。共立女子大を卒業後、母が営む洋裁学校の教員となり、1960年にパリへ留学。留学先で目にしたウエディングドレスに魅せられ、欧米を約1年間旅して各国の婚礼事情を視察した。帰国後の64年、日本で初めてのブライダル専門店を東京・赤坂に開店。和装での神前式がほとんどだった日本で洋装婚普及に尽力し、自身は42歳で旧大蔵省造幣局長を務めた結城義人氏(故人)と結婚した。

 93年にはローマ法王ヨハネ・パウロ2世の祭服をデザインし献上。2003年からはパリのオートクチュールコレクションで作品発表を続け、世界約30都市で計500回以上のファッションショーを開催した。

 人魚のようなシルエットの「マーメードライン」のドレスに定評があり、多くの著名人の婚礼衣装を手がけた。一方、95年の阪神大震災をきっかけに被災地で公募による「市民結婚式」を始め、11年の東日本大震災や16年の熊本地震の被災カップルに結婚式をプレゼント。和装が廃れつつある近年は、現代的で着やすい着物の開発にも取り組むなど晩年まで精力的に活動した。全日本ブライダル協会会長。

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