2023年7月、札幌市ススキノのホテルで男性を殺害し首を切断したなどとして親子が逮捕された事件。12月12日の裁判で母親の浩子被告は「おわび申し上げます」と遺族に謝罪しました。
12日に7回目の公判を迎えた母親の田村浩子被告。青いニットに紺のスカートの姿で一礼して入廷しました。
弁護側による被告人質問が行われた12日の裁判。
「取り返しのつかないことになった。深くおわび申し上げたい」(浩子被告)
肉声が半年ぶりに法廷で聞かれ、浩子被告は遺族に対する謝罪の言葉を口にしました。
2023年7月、札幌市ススキノのホテルで頭部を切断された男性の遺体が見つかった事件。
62歳の男性を殺害して首を切断し頭部を持ち去ったとして、田村瑠奈被告が殺人などの罪、両親が殺人や死体遺棄ほう助などの罪で逮捕・起訴されています。
「頭部の存在に気付いたのは家に持ち込まれた後。とがめることができませんでした」
6月の初公判でこう語り、「遺体を遺棄することを容認したのは違う」などと浩子被告は一貫して無罪を主張しています。
これまでの裁判で幾度となく姿を見せた父親の修被告。10月の裁判では瑠奈被告の音声データが法廷で初めて公開され、複雑な家族関係が垣間見えました。
「とっとと消えろ、てめえらを殺してやる」
「ずっとそう思って生き延びてんだよ」(ともに瑠奈被告)
「あそこのクリニックだと『クリニックではもうそのレベルだとうちでは対応できないので』ていうふうに言われる」(修被告)
「うー!」(瑠奈被告)
「予約を入れます」(修被告)
「私は復讐する、私はお前を殺すお前が私を殺す、私がお前を殺す、お前はどちらを選ぶ?」(瑠奈被告)
「I don't kill any(私はだれも殺さないの意味)」(修被告)
いびつな親子関係が明るみに出ました。
そして、迎えた浩子被告の7回目の裁判。
「Q遺族に対する気持ちは?」(弁護側)
「もしこのような事件が起きなければ大切な家族と過ごす時間がまだまだあった」
「取り返しのつかないことになった」
「深くおわび申し上げたい」(すべて浩子被告)
浩子被告は時折、声を震わせながら遺族への謝罪の気持ちを口にしました。
凄惨な事件を引き起こした娘・瑠奈被告のことを「お嬢さん」と呼び、「私は奴隷です」などと誓約書を書いていた浩子被告。この異様な親子関係はどのようにして形成されていったのか、きっかけを証言しました。
「Q瑠奈と呼べなくなったのは何歳ごろか?」(弁護側)
「(瑠奈被告が)19歳から20歳にかけて」(浩子被告)
「Qきっかけは?」(弁護側)
「私の中で後悔しているのは単位制の高校で同級生が次々と卒業していくが、娘は単位が足りなくて卒業できなかった。そのときに口にしてしまったのが『どうしてできないのだろう』。それをおそらく娘に聞かれていた。ものすごく後悔している。そこから距離を置かれている」(浩子被告)
浩子被告が法廷で明かした親子の「距離」。深い後悔も口にしました。
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