福岡市役所=福岡市中央区で2019年2月24日、森園道子撮影

 福岡市の高島宗一郎市長は12日の市議会12月定例会で、市立小中・特別支援学校の給食費について「学校給食費の負担軽減にとどまらず、無償化を含むより踏み込んだ支援に取り組む」と述べ、完全無償化に取り組む方針を示した。高島市長が無償化への取り組みを表明するのは初めてで、今後は実施時期や財源の検討に入る。

 堤田寛市議(自民)の一般質問に答えた。給食を提供する小中・特別支援学校は222校(2024年度)あり、市は同年度に無償化する場合の試算を「物価高騰分を含めると約58億円」と説明。一方、21~23年度の市税収入は年々増加し、23年度は過去最高の約3699億円となった。

 堤田市議は「国の総合経済対策でも物価高騰下の家計負担軽減に向けた対策として学校給食費の無償化が例に挙げられている」とただした。高島市長は「昨今の物価高は市民生活に影響を及ぼし、子育て世帯の支援の拡大は喫緊の課題」とした上で支援に言及した。

 学校給食費の恒久的な無償化は財政のハードルがあり実現していなかった。市によると、文部科学省の調査(23年9月時点)で完全無償化をしている自治体は全国で547あり、自治体数は17年度時点の調査と比べて約7倍に増加。政令市では、大阪市が20年度に初めて無償化に乗り出した。【竹林静】

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