沖縄県内の市町村立小中学校で、労働安全衛生法で義務付けられている衛生委員会の本年度の設置率が、2023年度に比べ改善したことが、県教育庁が11月15日に公表した調査で分かった。一方で、法律で義務付けられた月1回以上委員会を開催している学校は、小学校で66・1%、中学校で46・1%にとどまっている。県教育庁は、活動を活性化させていきたいとしている。(社会部・屋宜菜々子)

 労働安全衛生法では、教職員が常時50人以上の学校で、健康障がいの防止策を担う衛生管理者や、産業医の専任、衛生委員会の設置と月1回以上の開催が義務付けられている。会議は校長や衛生管理者、産業医などでつくり、健康障がいを防ぐ対策などを話し合う。

 教職員が常時50人以上の小学校は全59校、中学校は39校。衛生委員会の設置率は小学校で23年度34・0%から81・4%へ、中学校では23年度41・0%から69・2%へ改善した。

 一方、設置しているものの毎月1回以上開催していない学校が小学校で15・3%、中学校で23・1%あり、県教委は「形骸化が懸念される」と指摘する。

 半嶺満教育長は「メンタルヘルス対策や働き方改革を推進する上で重要だ」とし、市町村教委と連携し、整備や開催状況の改善を進めたい考えだ。

 民間へ労働安全衛生法に関する指導をする沖縄労働局健康安全課の梅澤栄課長は「学校行事などで多忙さが異なるため、毎月リアルタイムで課題を把握、分析し、予防につなげることが重要だ」と強調する。

 委員会の会議には、学年主任など現場の状況を把握している人も参加させ、多様な情報を収集することが望ましいとした。

 また、労働者の健康を確保できないと人手の確保が難しくなり、さらに健康の維持が難しくなると指摘。「課題を把握した上で、個人や集団の観点から原因を分析し、対応することが重要だ」と話した。

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