皇后雅子さまは9日、61歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて感想を公表された。雅子さまはこの1年を振り返り、元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県能登地域が、9月の豪雨で再び被害に遭ったことを「心が痛みます」と記した。各地の災害での犠牲者を悼み「被災された方々のご苦労を思い、心からのお見舞いをお伝えしたい」とつづった。
雅子さまは全国植樹祭などへの出席のため岡山、佐賀、岐阜、大分の4県を天皇陛下とともに訪ねたほか、3月と4月の2度、能登半島地震の被災者を見舞うため、石川県に足を運んだ。能登は「学生時代に友人との旅行で訪れたことがあり、楽しく、大切な思い出の詰まった地」といい、「多くの人々が大きな試練に直面していることに、心が締め付けられる」とした。
6月の訪英は「英国の人々が日本に温かい気持ちを寄せていることを実感し、うれしかった」と振り返った。最終日に天皇、皇后両陛下が留学したオックスフォード大に足を延ばした。雅子さまは34年ぶりに訪れた学内を散策し、「大変うれしく、思い出深い滞在になりました」と喜んだ。
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手らの活躍にも触れ「さまざまな分野で、若い人たちが日々の努力の積み重ねにより新たな世界を切り開いていく姿は、多くの日本の人たちに明るい希望と勇気を与えてくれた」と称賛した。
長女愛子さまは4月から日本赤十字社で勤務しつつ、公務に取り組む。雅子さまは愛子さまが「仕事にやりがいを感じながら励んでいる様子をうれしく思っています」とつづり、「さまざまな経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく努めてほしい」と願った。
宮内庁は2004年に、雅子さまが適応障害と診断されたと発表した。療養生活が続く中、治療にあたってきた医師団は誕生日に合わせて見解を公表し、従来通り「回復の途上にあり、依然としてご体調には波がある」と説明した。側近は「長期的にみると、日々努力を重ねておられ、少しずつ回復されていると見て取れる」と話している。【高島博之】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。