女性との「不適切な関係」を認めた記者会見で、終了時に頭を下げる永野耕平市長=大阪府岸和田市で2024年12月6日午後3時35分、中村宰和撮影

 性的関係を強要されたとして女性から損害賠償を求める訴訟を起こされ、和解した大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)は6日、女性と「不適切な関係」にあったことを認め、「家族に申し訳なかった。世間に対してもお騒がせして申し訳なかった」と謝罪した。改めて辞職を否定し、「これまで以上にしっかりやっていく」と述べた。

 永野氏は従来、訴訟を巡る事実関係について「裁判所で秘匿されているため話せない」などとして説明を拒否。「悪いことをしたということは絶対にない」と自身に非がないことを強調していた。しかし、所属する大阪維新の会は4日、永野氏に離党を勧告。永野氏から提出された離党届を預かり、8日までに説明責任が果たされない場合は除名する方針を決めた。

 原告側の弁護士によると、女性は2019年に政治活動に関係して永野氏と知り合い、直後から性的な関係を求められたという。精神的に追い詰められた女性は体調を崩し、21年春から休職。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

 和解調書(11月14日付)は、2人が対等な関係ではなく、永野氏が「女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場で、社会的な上下関係が形成されていた」と指摘。永野氏が公人で配偶者がいる点にも触れ、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」として、女性に謝罪し、解決金500万円を支払う内容で合意した。

 6日、市役所で記者会見した永野氏によると、女性とは市長就任後の20年ごろから約1年交際。「不倫の関係で、人の道に外れるものだった」と述べた。女性とは「平日の日中に会っていたが、公務外の時間だった」と釈明。改めて「性加害はない」と主張した。解決金については「未来志向で解決を目指すためで、精いっぱいの金額(を支払った)」と語った。

 市長続投に市民の理解が得られるかを問われると、「胸を張ってふさわしいかというのはある。しっかり尽くし、市民がどう感じられるかということになる」と述べ、維新を除名となった場合は辞職する考えに変わりはないとした。【中村宰和】

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