兵庫県警本部

 兵庫県加東市の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で2021年10月、立体迷路施設の安全管理を怠って利用客6人に重軽傷を負わせたとして、兵庫県警は6日、当時の支配人(52)ら計3人の男性を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。床の腐食を見逃したとされており、3人とも容疑を認めているという。

 この事故は21年10月10日午後2時過ぎ、遊園地内にある木造5階建ての「カラクリ迷宮のお城」で発生した。3階の床の一部が抜けて落下し、7~38歳だった男女6人が腰の骨を折るなどの重軽傷を負った。

 捜査関係者によると、他に送検されたのは、施設管理などの担当だった40代のマネジャーのほか、20代のリーダー。3人は十分な安全確認や点検を怠り、事故を起こして利用客を負傷させた疑いが持たれている。

 県警の捜査で、従業員による日や週、月ごとの点検項目が内規で定められていたが、確実に実施されていなかったことが判明。3階の床板を支える木製のはりが腐食していることを見逃していた疑いが強まったという。

 外部の専門業者による点検も必要とされていたが、20年に新型コロナウイルスの感染拡大に伴って一時休園してからは実施されていなかったという。立体迷路は13年からオープンしていた。

 この事故を巡っては、消費者庁の消費者安全調査委員会が、はりの腐食が原因とする報告書を公表した。雨水が乾きにくい環境だったことに加え、はりの状態を目視で確認しにくい構造だったと指摘。類似の木造立体迷路について、安全基準を策定するよう国に求めた。【木山友里亜、柴山雄太】

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