青森県から届いた「善意のリンゴ」を受け取る園児ら=広島県三原市円一町2で2024年12月2日午後3時3分、関東晋慈撮影

 青森県平川市の津軽みらい農協から広島県三原市にリンゴ4000個が届いた。1991年9月の台風19号でリンゴ農家が大きな被害を受けた際、三原市の青果業者がリンゴを買って支援したことが縁となって始まった「善意のリンゴ」プレゼントは30回目となった。

 94年夏に三原市が渇水に見舞われた時は、当時のいたやなぎ農協から飲料水100ケースが届いた。リンゴの寄贈は95年から始まり毎年続いている。99年以降は市内の保育施設に配っており、今回は36カ所に配布する。

 津軽みらい農協の奈良寧組合長(65)や丸果三原合同青果の松浦宏樹社長らが2日、三原市役所を訪れ、奈良組合長からサンふじと王林2000個ずつを寄贈。岡田吉弘市長は感謝状と三原市の特産品詰め合わせを贈った。

 続いて奈良組合長らは市立円一保育所を訪問し、サンタクロースとトナカイに扮(ふん)した農協職員が園児にリンゴを手渡した。園児らは「あわてんぼうのサンタクロース」を歌って感謝を伝え、迫口佳生ちゃん(6)は「青森にはおいしいリンゴがあることが分かった。お礼を続けてくれてうれしい」と喜んだ。

 奈良組合長は「91年の台風被害の深刻さはよく覚えている。今回初めて三原市を訪れて歓迎してもらい、つながりの深さを感じた」と話した。【関東晋慈】

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