SACHICOの面談室=2020年11月17日午後5時31分、北村和巳撮影

 性被害の相談や診察が1カ所で受けられる「性暴力救援センター・大阪SACHICO(サチコ)」の存続を求める有志が4日、大阪府議会議長宛てに4万8463筆の署名を提出した。拠点としている阪南中央病院(松原市)から2024年度末で退去することが決まっており、新たな場所の確保へ協力を要請した。

 SACHICOは性被害を受けた人が緊急避妊薬の提供や心のケアなどの継続した支援を“ワンストップ”で受けられる全国初の施設として10年4月に開設された。

 署名は「大阪SACHICOの存続と発展を願う会」が8~11月末に街頭やオンラインで呼びかけた。府議会への請願書では、来年度以降の移転先を府の責任で確保することと、公的な病院を拠点とするセンターの設置を求めている。

 署名活動に参加した女性は、子どものころに家族から受けた性被害を20年以上たってSACHICOに相談。「自己嫌悪を拭えなかった私に、支援員が『あなたは悪くない』と経験と知識を用いて語りかけてくれた」と振り返った。支援を受けて死にたいという気持ちが振り払えたといい、「性暴力被害の専門知識がある医師がいる病院に拠点をおき、包括的に当事者を支えてきたSACHICOのあり方を継続すべきだ」と求めた。

 SACHICOの久保田康愛理事長は「被害者にとっては、24時間必要な診療が受けられる体制が必要。支援を続けられる場所を確保できるよう引き続き活動したい」と話した。【斉藤朋恵】

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