愛知県飛島村で9日、8歳の女児が犬の散歩中に大型トラックにはねられて死亡した。警察庁によると、小1~6年の児童が死亡、大けがをする交通事故は夏前にかけて増加する傾向にあるといい、愛知県警はゴールデンウイーク中の子どもの事故に注意を呼びかけている。
事故は9日午後9時10分ごろ、県道脇の歩道で起きた。1人で犬の散歩をしていた小学3年の女児が、コンビニの駐車場に入ろうと左折してきた大型トラックにはねられ、約2時間後に死亡した。男性運転手は自動車運転処罰法違反(過失運転致死)容疑で送検された。
「死角」を体験
子どもが犠牲になる交通事故を防ごうと、愛知県警は25日、名古屋市立飯田小学校(同市北区)で体験型の交通安全教室を開いた。県警職員が大型トラックには死角が多く、身長が低い子どもは事故に巻き込まれやすいことなどを説明した。
安全教室には3、4年生の児童や北区交通指導員など約140人が参加した。終盤、代表の児童をトラックの運転席に乗せ、他の児童をトラックの前にしゃがませ、県警職員が「友達が車の前に何人いるかわかる?」と聞いた。代表の児童は「わからない」と答え、運転席からの死角を体験した。児童らは真剣な表情で、死角や内輪差の説明を聞いていた。
トラックに乗って死角を体験した3年生の西田灯里さんは「いつも乗っている車より高くて見えづらかった。横断歩道ではギリギリ前に立つのではなく、少し離れた場所で待とうと思った」と話した。
警察庁によると、2019年以降の5年間で、児童が死亡や大けがをした交通事故は6月が最も多く、年始めから夏前にかけて増加する傾向にあった。事故原因では「飛び出し」が約3割を占めていた。
県警交通総務課の秋元公志課長補佐は「道路には危険が潜んでいる。子どもたちだけで外出することもあると思うが、気をつけてほしい」と話している。【塚本紘平】
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