沖縄県の推計で、2023年10月1日現在の県内総人口は146万8375人と、前年比で259人(0・02%)減となり、1972年の日本復帰以降、初めてマイナスとなったことが分かった。総務省が12日に発表した同時点の推計人口でも沖縄は減少しており、国の推計では2年連続の減となった。県と国で算出方法が異なるため、前年の県の推計では人口増が続いているとしていたが、今回初めて両方で人口減となった。(政経部・東江郁香)

(資料写真)沖縄県庁

 県の推計は、「23年人口移動報告年報」で明らかになった。

 生まれた子どもの数が同期間に死亡した人の数より少ない「自然減」が2052人で、転出より転入が多い「社会増」の1793人を上回り、人口は259人減となった。県統計課によると、2022年2月から続く自然減が影響し、前年比で人口が減少したとみられる。自然減は24年3月まで26カ月連続で続いている。

 市町村別では、41市町村のうち26市町村で減少。32市町村で自然減となり、県全体の自然動態増減率はマイナス0・14%だった。

 国籍別に見ると、日本人は144万5767人で前年から3434人(0・24%)減り、外国人は過去最多の2万2608人で3175人(16・34%)増えた。日本人の減少を食い止めることが課題になる。

 一方、県内総人口は、県の推計の基準となった23年10月より増えている。今年1月に146万9628人を記録し、23年12月から2カ月連続で過去最高を更新した。コロナ禍明けや人手不足を背景に、外国人技能実習生や留学生が増加し、「社会増」が「自然減」を上回っているとみられる。

 全国的に人口は減少傾向で、沖縄でも将来的な人口減少と少子高齢化は避けられない。県企画調整課は、そういった状況下で社会が成り立つ仕組みづくりを目指し、今年1月に改定した「沖縄21世紀ビジョンゆがふしまづくり計画」に観光や農業、離島医療などでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するための施策を新たに盛り込んだ。

 県は速報性を重視し、月をまたいだ出生や死亡の届け出を反映したデータを推計に利用していないため、国の推計と差違が生じる。

写真を拡大 市町村別の人口増減率と人口

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