双方の主張に大きな隔たりがある中、捜査で真実は明らかになるのでしょうか。

斎藤知事の選挙期間中のSNSの運用をめぐり、大学教授らは公職選挙法違反の疑いで、斎藤知事とPR会社社長への刑事告発状を提出しました。

■公職選挙法に違反する疑いで斎藤知事を刑事告発 斎藤知事側は疑惑を真っ向から否定

【神戸学院大学 上脇博之教授】「女性社長のnote(コラム)を拝見して、どう考えても選挙に、“主体的に”かつ“裁量のある”戦略的なPR活動を行ったことは明らか。買収・被買収罪が成立する」

2日、オンラインで会見を開いたのは、これまで自民党の裏金問題を追求してきた神戸学院大学の上脇博之教授と郷原信郎弁護士。

兵庫県の斎藤元彦知事とPR会社の社長に対し、公職選挙法に違反する疑いがあるとして、神戸地検と兵庫県警に刑事告発状を提出したことを明らかにしました。

公職選挙法では、業者が主体的にウェブサイトを作成することは、「買収となる恐れが高い」とされますが、PR会社の社長はコラムで、「私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、…プライバシーへの配慮などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました」

「広報全般を請け負った」と書かれた投稿に、斎藤知事側は真っ向から否定。

陣営からPR会社に支払われた71万5000円については、「ポスター制作など法律で認められた5項目に対して支払ったもの」で、「SNS運用などはボランティアで、無償で行われている」と回答していました。

こうした主張について、刑事告発した郷原弁護士は…。

【郷原信郎弁護士】「SNS広報戦略など、全般的に依頼していたことは疑いがない。その対価として5項目を一応“名目”にして71万5000円を支払っていた。『一部は有償で、業務としてやってもらった』。『多くはボランティアでやってもらった』という説明は、通らないのではないか」

刑事告発を受け斎藤知事は2日、改めて「法律違反には当たらない」との説明を繰り返しました。

【兵庫県 斎藤元彦知事】「詳細は承知していません。いずれにしてもその件は、公職選挙法に違反しないと認識している。代理人弁護士に対応をお願いしています」

■県の内部情報漏えいか 元県民局長が管理の情報をNHK党・立花氏が公開

さらに、兵庫県庁内では“情報漏えい”が疑われる新たな問題も。

「知事のパワハラなどの告発は真実ではない」と知事選で主張していた、「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首。

先週末、SNS上で斎藤知事を告発した元県民局長が管理していたとみられるデータや、関係者の顔写真などを公開したのです。

■斎藤知事は「第三者機関で対応を検討する」と繰り返し回答

データが本物であれば、県の内部情報が漏洩したことになりますが、そのことについて斎藤知事は…。

【兵庫県 斎藤元彦知事】「SNS上で出ているような文章がどういうものか、私も確認できていないので、弁護士などをいれた第三者機関の中で、事実関係を確認するのが大事」

(Q.今後、県警に相談は?)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「まずは事実関係を、第三者機関で確認するのが大事。その流れの中でどういうふうに対応するか適切に考えていくのが大事」

記者団からの質問に対し、何度も「第三者機関で対応を検討する」と繰り返しました。

県は今後、第三者機関を設置し、立花党首が公開したデータの調査を行うとしています。

■第三者機関がしっかりと事実を究明することが大事

立花氏が拡散している画像などの真偽については、今後、第三者機関を設置し調査を行うということです。

斎藤知事とPR会社社長を公職選挙法違反の疑いで刑事告発するという動きもありました。

【共同通信社 編集委員 太田昌克さん】「告発の動きは、受理されたらしゅくしゅくと捜査が進むと思います。事実は1つしかありませんから、それを見極めることになる」

「私が気になるのは、元県民局長の方はどういう理由か分かりませんがお亡くなりになられた。ご家族そして親しい方々、関係者、今もその死に対して苦しんでおられる、悲しんでらっしゃる方たくさんいると思います」

「それにもかかわらず、県の内部から内部情報が仮に漏えいしていたとしたら、それが拡散されていたら、その悲しみ、苦しみが余計輪をかけるような、苦しみに塩を塗り込むような行為です」

「第三者機関が本当にしっかりファクト・事実を究明する。そして厳正に対処していただきたいと思います。そうしないとこの県民局長、亡くなられた方が浮かばれないと思います」

(関西テレビ「newsランナー」2024年12月2日放送)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。