天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは1日、23歳の誕生日を迎えられた。今春に学習院大を卒業して日本赤十字社に就職した。新社会人として先輩の指導を受けながら仕事に励む一方、成年皇族の一員として公務の経験を積み、研さんを重ねる日々を送っている。
卒業論文は、中世を代表する女流歌人・式子(しょくし)内親王とその和歌を研究した。和歌の美しさや解釈の多様さに感銘を受けたという。日赤では嘱託職員として、ボランティア情報誌の編集や研修会の運営を担当。社会に直接的に貢献できる日赤の活動に魅力を感じ、大学院進学や留学をせず、就職の道を選んだ。
今年は学業が一段落し、皇族としての活動も増えた。新年の「講書始の儀」や春の園遊会など初めての公務に多く臨んだ。皇居・宮殿でケニア大統領夫妻をもてなす昼食会に出席した際は、事前に資料を読み込み、現地のスワヒリ語でのあいさつに挑戦。初の単独での地方公務となった佐賀県訪問では、手すき和紙の工房で伝統文化に触れた。宮内庁によると、県民の温かな歓迎をうれしく思っているといい、公務を終えて安堵(あんど)した様子だった。
また、地震や大雨などに見舞われた被災地を案じ、9月末には能登半島地震の被災地、石川県志賀町と七尾市の訪問を予定していた。直前に豪雨被害も発生して取りやめたが、全国で相次ぐ災害に心を痛めているという。
皇居・御所での暮らしでは、小学3年のころから飼っていた保護猫「みー」が8月に病死。寂しく思いつつ、別の保護猫「セブン」や高齢になった保護犬「由莉(ゆり)」と触れあう時間を大切にしている。週末に両陛下と皇居内を散策したり、職員も交えてテニスやバドミントン、バレーボールをしたり、運動も楽しんでいる。【山田奈緒】
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