(解説:吉田裕美気象予報士)

11月29日の岩手県内は一段と風が冷たく感じ、また1歩冬に近づいたような空気の冷たさを感じる1日となった。

気象衛星を見ると、雲がぐるぐると渦を巻いているのがわかる。これは「寒冷渦」といって寒気でできた渦巻きになる。
この寒冷渦が27日からじわじわと日本列島に近づいていて、29日にようやくこの中心が北海道のあたりまで到達した。
寒気が流れ込んできた影響で29日はより一層寒い一日になった。

この寒冷渦の影響で、29日の最高気温は盛岡では7.2度、花巻と北上では6度台を記録し今シーズン最も寒い1日となった。多くの地域で12月上旬並みの寒さとなっている。

この寒さに加えて29日夜は広い範囲で雪が降りそうだ。盛岡市内は29日夜日付が変わったあたりから雪やみぞれが降りだしそうだ。大雪にはならないがシーズン初めの雪になるため30日朝は路面の状況に注意が必要。

30日と1日の天気については、30日は朝は広い範囲で雪やみぞれが降るが、1日には天気が回復する見込みだ。

30日の予想天気図を見ると、30日に朝にかけて気圧の谷が一つ東北地方を通過していく予想。この影響で30日の明け方から朝にかけて岩手県内は広い範囲で雪が降る予想だ。午後は沿岸を中心に晴れる予想となっている。

29日夜から30日の朝にかけて予想される降雪量は、八幡平で5cmから9cm、二戸・盛岡・花巻・北上、そして沿岸の久慈でも1cmから4cmの予想となっている。
ただし、湿った雪のため全てが積もるわけではないが、盛岡でも芝生や植え込みが白くなる可能性がある。

1日になると冬型の気圧配置が緩んで、西から高気圧に覆われてくるので、天気は回復、県内全般に晴れて寒さも緩みそうだ。

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