ライブ配信アプリでゲーム実況やトークする「ライバー」やSNSで情報発信する「インフルエンサー」らコンテンツ配信事業者の申告漏れが増えている。

1件あたりの金額が多い上位10業種でも「経営コンサルタント」、「ホステス・ホスト」に次いで「コンテンツ配信」が初めて入り、申告漏れの平均額は2381万円にも上った。

中には1億円を超える所得を全く申告しなかった例もある。

“投げ銭”1億円超を無申告…

あるアプリでトークのライブ配信を行っていた女性が、大阪国税局から約2100万円の追徴課税を受けた。

「ライバー」は、アイテムやギフトなどと呼ばれる視聴者からの投げ銭を主な収益源としているが、この投げ銭ももちろん課税の対象となる。
しかし、女性は、4年分の投げ銭1億1900万円もの所得を一切申告していなかった。

女性は「忙しくて確定申告をしていなかった」という趣旨の説明をしたという。

「#PR」が課税対象になる場合も

SNSには有料登録した利用者だけが限定コンテンツを閲覧できる「サブスクリプション」機能がある。

サブスクの相場は1人当たり数百円で、インフルエンサーは合計金額から手数料を引いた額を受け取ることができるが、こちらも当然、課税の対象となる。

さらに、企業のPR案件も対象となる場合がある。

投稿に「#PR」とハッシュタグを付けて、コスメやファッションなどの商品を使用した感想を宣伝するものだが、例えば化粧品や服の提供があった場合に時価計算で課税される可能性があるという。

過去には、企業から依頼を受け子供服などの商品を宣伝していた女性が、報酬の大部分を申告しなかったとして約4000万円の追徴課税を受けた。

契約ごとに申告の範囲を確認する必要がある。

「納税意識の低さが影響か」

国税庁関係者は「コンテンツ配信者には若い世代が多く、納税意識の低さが影響しているのではないか。場合によっては運営会社の管理不足もある」と指摘する。

コンテンツ配信事業者の申告漏れの平均額は2381万円。

配信で人気が出て急に高額収入を得ることになった若者も納税の知識が求められる。

申告期限を過ぎた納税には加算税や延滞税がかかり、もともと納めるべき金額に上乗せとなってしまう。

家族や周囲の声を聞いて、税理士に依頼するなどして適切な納税を行える環境を整えることが必要だ。

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