「特産松阪牛」の女王を決める第73回松阪肉牛共進会が24日、三重県松阪市伊勢寺町の松阪農業公園ベルファームで開催された。グランプリの「優秀賞1席」に明和町池村の中尾教昭さん(63)の「ともみ7」(688キロ)が選ばれ、津市の精肉店「朝日屋」が3032万円で競り落とした。
共進会には予選会を通過した50頭が出品され、体の幅や体格に応じた部位のバランスなどの審査を受けた。「ともみ7」は体の幅、張り、深みなど各部位のバランスが良く、非の打ち所がない極めて完成度が高いと評価された。
中尾さんは鈴鹿市の出身で20年ほど前に明和町へ移り住み、「なかお畜産」の社長を務める。松阪牛の中でも兵庫県産の子牛を伝統的な手法で900日以上育てた「特産松阪牛」は15年ほど前から肥育し、牛舎の3000頭のうち約1割を占める。
初受賞に中尾社長は「共進会で1等を取るのが夢だったので、本当にうれしい。夏は扇風機を回して環境をよくして暑さをしのいだ。猛暑に耐えて、よく食べよく寝て体調が維持できた」と「ともみ7」をたたえた。中尾吉隆専務(39)は「3000万円を超える金額で評価されすごくうれしい。出荷するまで大切に育てたい」と喜んだ。
31回連続で1席を落札した朝日屋の香田佳永社長(64)は「中尾さんの初受賞には驚いているが、丹精込めていい牛を育ててくれた。昨年(3004万)よりは高くなると思っていたが、1席は必ず落とすと決めてきた」と話した。12月12日から開催する「名牛まつり」で、落札した牛の肉は24日ごろ平常価格で販売するという。【下村恵美】
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