許可がないまま停泊していたり所有者が分からない船、いわゆる「放置艇」の規制が2025年度から強化される方針。その背景に迫った。

40年前から放置されている船も

岡山市南区にある防波堤にとめられている船。岡山県港湾課の安田貴洋主幹によると、ここの船はすべて放置艇だという。

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岡山市南区にある防波堤は船の係留が許可されていないエリアだが、30以上の船がとめられていて、さらには、堂々と桟橋が作られていた。

中には、何十年も放置され、沈んでしまい動かせないような状況にある船「沈船」もある。

南区にある防波堤にある「沈船」の一つは、銀色の棒が2本を残してほとんどが沈んでしまっていた。この船は40年ほど前から放置され、管理が行き届かず、ついには沈んでしまったという。

すでに漁業に影響…二次被害も懸念

放置艇は燃料が漏出することでの海洋汚染や津波や高潮で流され、災害の二次被害につながることなどが懸念されている。

影響は、漁業の現場でも。

岡山市漁業協同組合の大元智朗さん)は「漁具が引っかかって道具が壊れたり、いいように魚が取れなかったりするので邪魔になる。きれいにしてもらいたい」と強く訴える。

条例改正で放置艇問題に立ち向かう!

岡山県の2022年の調査によると、県内の放置艇は約6400隻。2018年の調査から約2割増えている。

増加の背景には「コロナ禍」があると県の担当者は話す。

安田貴洋主幹:
コロナ禍において、海洋レジャーのニーズなどが高まったことが原因だと考えている。収容能力の向上を図って必要な約5800隻分の係留施設を確保する見込み。

岡山県はコロナ禍真っただ中の2022年度に県内全域で放置を禁止する方針を決定。河川やため池を含む県が管轄する全ての水域で、2025年7月から懲役刑や罰金刑の罰則を設けるための独自の条例改正に向けて動いている。

安田主幹は「所有者自体が違法に係留している認識を持っていない。広報・啓発などはしているので、理解してもらった上で、きちんと適正な処理をしてもらえたら」と話す。

船の保管や処分は持ち主自身の責任だ。今一度、自身の船の確認とルール遵守が求められる。

(岡山放送)

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