元横綱で名解説者としても知られている北の富士さんの突然の訃報。
悲しみが広がっています。
90年代から僕も聞いている辛口で面白い解説もう1回聞きたいですね。
今回、「イット!」では北の富士さんをよく知る3人の方を取材しました。
その秘話に迫ります。
元横綱・北の富士さん:
まだ終わってないけど、いい人生だなと思って感謝している。あれもこれも全部相撲やったおかげだなと思ってる。
おしゃれでダンディー、そして軽妙な語り口の解説で相撲ファンを魅了した元横綱・北の富士さん。
体調を崩し療養していましたが、11月12日に亡くなっていたことが分かりました。
82歳でした。
北海道出身の北の富士さんは、1970年の初場所後に第52代横綱に昇進。
幕内での優勝回数は10回。
185cmの長身と甘いマスクで人気を集め、大関時代の1967年にはレコードデビューを果たします。
そんな北の富士さんが憧れの存在だったと話すのは、元横綱・若乃花の花田虎上さん。
中でも印象深いのが、父・貴ノ花さんと北の富士さんが対戦し、どちらが勝ったかで大論争となった“伝説の一番”だといいます。
元横綱・若乃花 花田虎上さん:
私の父との取組の中で「つき手・かばい手論争」がありまして、そこで素晴らしい相撲をとった大横綱というイメージがありまして、一力士として憧れの先輩だった。
引退後は親方として千代の富士と北勝海の2人の横綱を育て、千代の富士関のニックネーム“ウルフ”の名付け親としても知られています。
相撲協会を退職後は、角界のご意見番として歯に衣着せぬ解説が人気を集めました。
元横綱・北の富士さん:
(Q.横綱・朝青龍(当時)について)本場所行くと横綱(朝青龍)強い。秘密の稽古してるのかもしれない。
大相撲中継での解説と実況の名コンビを組んだ元NHKアナウンサーの藤井康生さんは…。
元NHKアナウンサー 大阪学院大学特任教授・藤井康生さん:
四半世紀もご一緒しましたので、訃報を聞いてしばらくたちましたが全く信じられない状況。もうつらくてしょうがない。
解説でのユーモアを交えた北の富士さんの語り口は、他に変わりがいないといいます。
元NHKアナウンサー 大阪学院大学特任教授・藤井康生さん:
話の上手さだけではなくて、聞いている人に見事に情景を浮かばせることができるという。こんな人は70年近く生きてきて初めてです。1人しかいないですね。かなうものならば、もう一度放送席でご一緒したかった。
現役時代、休場した場所後にハワイでサーフィンをして厳重注意を受けた経験がある北の富士さん。
2007年に、けがを理由に夏巡業の休場届を出した横綱・朝青龍がモンゴルでサッカーをしていた問題を巡っては、ユーモアを交え、「俺はね、もっと素直に謝ったから、だから早かった立ち直りが。悪いと思ったら謝る。これにこしたことはない」と話していました。
北の富士さんの人柄について、相撲ジャーナリストの横野さんは「女性だけにモテたのではなく、男の人からも人気がある。最高に話が面白いし、頭の回転がとにかく速い」と語りました。
葬儀はすでに近親者で執り行われたとのことで、12月、都内でお別れの会が予定されています。
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