町発注工事の入札を巡り、収賄などの罪に問われた福島県石川町の前町長・塩田金次郎被告。懲役2年6ヵ月、執行猶予5年の有罪判決が言い渡された。

黒のスーツに水色のネクタイをつけて、入廷した塩田被告。マスクをしていて、表情は分からなかったが、判決を言い渡された時、裁判長をじっと見つめ、時折、頷きながら話を聞いていた。

判決の時、じっと耳を傾けていた石川町の前町長・塩田金次郎被告。
判決によると、塩田被告は町発注の道路工事と認定こども園の造成工事の入札で、秘密事項の設計金額を土木会社の当時の役員や顧問に教え、その見返りに合計で42万円相当の缶ビールなどを受け取っていた。

「何度もお願いされ、断り切れなかった」これまでの裁判で、こう供述していた塩田被告。やりとりを繰り返すうちに、いつしか後援会などの金銭的負担を減らすために受け取る品物や個数を指定していたことも検察側の指摘で明らかになっていた。

福島地裁郡山支部の下山洋司裁判長は「町長の立場を利用し、私欲を満たした。町民の町政に対する信頼を大きく損なった悪質な犯行」と厳しく指摘。塩田被告に懲役2年6ヵ月・執行猶予5年、約42万円の追徴の判決を言い渡した。

判決後、塩田被告は足早に裁判所を後にした。
地元町民は「やっちゃいけないことをやるなって、ダメなものはダメ」「そんなことするとはね、思ってもいなかったので、びっくりはしたんですけども、何とも言えないですね」「いままでよりも、より良い石川町にしてもらいたい」と話していた。

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