朝晩の冷え込みが増し、暖房が必要になるこれからの季節。特に注意したいのが「ストーブ火災」だ。ストーブが原因の火事は被害が拡大しやすいので、使用の際はどんな点に注意すればいいのか知っておくことが重要になる。

<使い始めの時期も要注意>
郡山消防本部によると、暖房器具が原因の火災が過去10年間に57件起きている。月別では、使用頻度が高い2月が最も多くなっているが、10月・11月の使い始めの時期も多く発生している。分類では、石油ストーブが半数以上を占めている。

<近くに可燃物や洗濯物はNG>
郡山消防本部の菊地主査は「ストーブの近くに可燃物置いてあったり、洗濯物を干していて火災に至るというケースが多く発生している」と話す。
消防協力のもと火災実験を行った。ストーブの上に洗濯物を干した場合の危険性を確認する。郡山消防本部火災調査係の菊地郁聡主査によると「洗濯物が乾いてくると、上昇気流によってユラユラと動き、落下する恐れがある」という。洗濯物が落下した想定で、ストーブの上に乗せると約20分後には火がついて燃え広がった。
また、可燃物が接していなくても、ストーブから発せられる熱で火災になるケースもあるという。
郡山消防本部の菊地主査は「ストーブをそのままにして、外出したり就寝したりすると可燃物に着火し、火災に至るケースがある。必ず火は消して、外出するようお願いします」と注意を呼び掛けた。

<変質灯油の使用もNG>
一方、ストーブに使う灯油にも注意が必要だ。
福島県郡山市にあるガソリンスタンドでは、11月に入って灯油の購入客が10月の4倍に増えている。
ここで大切なのは、火災の原因となるので古い灯油は使わないこと。
時間が経過した「変質灯油」は、消火しようとしても火はついたまま芯の先端が燃え続ける「異常燃焼」が起きる場合がある。また、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生する危険もある。
郡山消防本部の菊地主査は「古い灯油は使用しないで、今シーズン買った灯油には今シーズンで使い切るよう注意してください」と話す。
灯油を使いきれなかった場合は、ガソリンスタンドによっては、古い灯油を回収・処分するサービスを行っている。有料か無料かも含めて、事前に店側に問い合わせてほしい。

<火災警報器の設置も忘れずに>
ストーブ火災では、逃げ遅れなどによる犠牲者や負傷者も目立つ。そこで役立ててほしいのが、煙や熱を感知する「住宅用火災警報器」。
福島県の設置率は81.1%と、全国平均を下回っていて消防が設置を呼びかけている。
交換の目安は10年ほどで、設置していても電池切れなどで正常に作動しない可能性がある。ボタン押し「正常です!」というアナウンスが流れるか点検して確認を。
設置費用を補助してくれる自治体もあるので、設置をしていない人は検討して、設置率100%・逃げ遅れゼロにつなげてほしい。

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