沖縄本島北部の大雨が一時収まった11日、国費で被災者支援ができる災害救助法の市町村への適用が難しくなったことが分かった。適用するのは県で、災害発生中は被害の「恐れ」を根拠にできるが、終息後は住宅被害戸数など厳密な根拠が必要になるためだ。鹿児島県は大雨が続いていた9日、早々に与論町へ適用したが、出遅れた沖縄県は財政支援を得にくくなっている。(編集委員・阿部岳)

 同法が適用になると、市町村が費用を負担している避難所の開設、水や食料の提供などに国費が投入される。市町村負担はゼロになり、県が50%以下を負担する。また半壊以上の住宅には、最大約70万円の応急修理費用が支給されることになる。

 内閣府は災害発生中、災害対策本部が設置され、住宅被害が1件でも把握できれば「恐れ」を基に適用が可能などと基準を示し、「積極的な活用」を呼びかけている。

 県は週明けの11日になって災害対策本部を設置。同日、同法の適用を内閣府に相談したが、内閣府は天候回復後は「恐れ」を基にした適用はできないと指摘した。県は今後「人口5千人未満の自治体で全壊30戸」など、別の根拠を基に適用ができるかどうか、調査を続ける。

 担当の生活安全安心課は「避難者が少なく、被害が見通せなかった。結果的に見れば『恐れ』を基に適用して行政サービスができたかもしれない。今後は積極的に検討していきたい」と述べた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。