【北部】9、10日と降り続いた大雨で、国頭、大宜味、東の3村は未曽有の被害を受けた。天候が回復した11日、3村ではボランティアの協力も得ながら復旧に向けた取り組みが行われたが、住民からは「いつ以前の生活に戻れるのか」と途方に暮れる声も聞かれた。(北部報道部・下地広也、比嘉海人、前田高敬)
東村では通行止めになっていた村内の主要幹線道路の国道331号が、同日午後7時までに仮復旧し通行できるようになったが、県道14号線の復旧はめどが立っていない。
道路など生活インフラの復旧は徐々に進む一方、カボチャやパインなど農作物や畑への被害はこれから本格的に調査するという。當山全伸村長は「想定外の事態で、被害の全体像は分かっていない」と話し、手探りの復旧作業を懸念した。
大宜味村は断水3日目。名護市から給水タンクを借り、同市や国頭村、東村から水を分けてもらって村民に飲料水を供給している状況だ。県企業局の給水車も応援に入り、村内各地を回った。
一方で、津波浄水場で床上浸水のため断水が始まった9日昼以降、流れ込んだ泥の除去作業に当たった村職員延べ30人以上には疲労の色も。参加した職員の一人は「いち早い水道の復旧を願っているが、正直疲弊している」と語った。
国頭村でも11日、勤務の合間に職員数十人が濁流の流れ込んだ比地の復旧作業に当たった。与那など比較的被害が少なかった集落からのボランティアも加わったほか、汚泥の排出には沖縄総合事務局が派遣したバキューム車や職員らが協力している。
ある職員は「村内のホテルに避難している人はまだ約20人おり、早く家に帰してあげたい」と話す一方「水浸しの家屋はどうすれば再び住めるようになるのか」と思案顔だった。
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