官公庁をかたるニセ電話詐欺の被害が相次いでいます。

実際に録音された“詐欺電話”の音声から見えてきた手口を取材しました

◆実際の自動音声
「重要なお知らせになります。こちらは総務省電波管理審議会です。あと2時間で現在お使いになられている電話機全ての通信サービスを停止させていただきます。オペレーターにおつなぎをご希望の方はダイヤル1を押してください」

これはTNCが入手した音声ガイダンスです。

電話の相手が名乗ったのは実在する「総務省電波監理審議会」。

「あと2時間で通信サービスを停止する」と通知し、ダイヤル1を押すように促します。

実はこの電話、全国で被害が相次いでいるニセ電話詐欺です。

もし言われた通りダイヤル1を押してしまうと、犯人が電話口に出てさまざまなウソで不安を煽ります。

県内でもこの「総務省」をかたるニセ電話詐欺が複数確認されていて、春日市の75歳の男性は646万円だまし取られました。

警察によりますと、75歳の男性は10月「総務省」をかたる自動音声に促されて、ダイヤル1を押してしまったところ、電話に出た犯人たちからこう言われたといいます。

「あなた名義の携帯電話が特殊詐欺に使われた。あなたに逮捕状が出ている。資産を確認するため、指定の口座に金を振り込むように」

そして男性は預金や生命保険を解約して金をつくり、指定された口座に2回に分けて合わせて646万円を送金してしまったということです。

◆実際の自動音声
「重要なお知らせになります。こちらは総務省電波管理審議会です」

総務省はこの詐欺電話に注意を呼びかけていて、警察も「お金の話が出たり支払いを要求されたときは必ず詐欺を疑って欲しい」としています。

■詐欺グループが「電話番号を偽装」も

「総務省」をかたる詐欺電話ですが、電話がかかってきた時、実際に総務省の代表番号が表示されるケースも多いということです。

つまり詐欺グループが何らかの方法で電話番号を偽装しているわけです。

ほかにも警察署の電話番号としてよく使われる末尾「0110」の番号に偽装したケースも6月から9月にかけ35倍に急増していて、警察が警戒を強めています。

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