7日は寒かったですが、そんな気温が下がる中でも有名アーティストが熱いライブを行っている場所、神奈川・横浜市みなとみらい地区の『ぴあアリーナMM』。

その横にある横断歩道に、突然バリケードが現れました。

7日のテーマは『横断歩道を封鎖 渋滞か利便性か』、ソレってどうなの?です。

閉鎖されていたのは、首都高速のみなとみらい出口の横断歩道。
JR桜木町駅から約400メートル、みなとみらい駅から約300メートルの場所です。

普段からこの横断歩道をよく利用している皆さんに話を聞くと、「私は自転車が多いですけど雨のときはたまに歩きます。困る方はいらっしゃると思います。私も上に行かなきゃいけないので、なくなったら不便かなって思います」「急いでいるときに選択肢が一つ減ったと通行止めしてから思う」などの声が聞かれました。

実はこの横断歩道の閉鎖は、横浜市が5日から11日までの1週間限定で行っている社会実験。
市の担当者に、この実験の目的を聞きました。

横浜市都市整備局 担当課長・後藤隆志氏:
交差点が高速道路の入り口になっていて車両がかなり多いことと、ぴあアリーナに隣接していることから歩行者も多いという場所。歩行者と車両の交錯をなくすことによって安全性が向上する。交通渋滞も発生しているので、そういった改善を目的として、今回社会実験を行っている。

この交差点に隣接する会場でイベントが開催されると、約1万人のお客さんが横断歩道や歩道橋を利用するため大混雑するといいます。

そのため、横断歩道を渡る歩行者を待つ左折待ち渋滞が発生します。

運転する皆さんにこの場所がどれだけ大変なのか、話を聞いてみました。

30代:
曲がれないですね。信号も早いですし、曲がりきれなくてずっと奥まで、桜木町の方まで混んでいることもある。

タクシードライバー:
時間帯によっては(客を)10分20分待たせてしまう場合があるので、歩行者が逆に陸橋があるからちょっと大変だけど。(Q.横断歩道の閉鎖について)歓迎しますね。すごく問題がある交差点だと思っていたので。

しかし、歩道橋だけになると多くの人が歩道橋に押し寄せて危険な状態になるなど、不安に思うこともあります。

横浜市都市整備局 担当課長・後藤隆志氏:
昨年度、人と車両の通行量の調査をやってまして、ちょっと前に韓国であった事故が起きてしまったら大変なことになりますから、事故が仮に起きそうであれば、その場合は社会実験を止めるということを警察と協議してる。

利便性をとるか渋滞をとるか。
横浜市は現在のところ渋滞が緩和されていると感じていて、実験終了後に検証するとしています。

交通環境に詳しい東京都市大学・西山敏樹准教授は横断歩道にもデメリットがあるといいます。

西山敏樹准教授:
横断歩道がたくさんあるとバスやタクシー、トラックの遅延が起きてしまう。信号をつけてゼブラゾーン(導流帯)を設置するやり方はあまりやりたくない。

高速道路入り口付近の横断歩道は今後、全国的にどうなっていくのでしょうか。

西山敏樹准教授:
一般論でいうと幹線道路沿いは極力歩道橋ですね。いろいろな人が使えるようにエレベーターをつけたり、スロープで自転車が上れるようにするとか何らかの対応をして、みんながこう動けるようにするという方が普通の流れ。

事故を減らすためにも極力、歩行者に不便にならないようにしながら良い方向に進んでほしいと思います。

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