名古屋刑務所=2007年3月22日午後5時36分、鮫島弘樹撮影

 名古屋刑務所(愛知県みよし市)で男性受刑者に暴言を吐いたなどとして、名古屋矯正管区と同刑務所は6日、男性刑務官7人を戒告処分や厳重注意などとしたと発表した。うち1人を同日、男性の指印を無断で書類に押したとする私印不正使用容疑で書類送検した。男性は既に死亡しており、担当者らは遺族に謝罪した。

 発表などによると、書類送検された男性刑務官(32)は2022年2月、病気で意思疎通が困難だった男性(当時71歳)の指に無断でインクを付け、日課表に押し付けて不正に押印した。また、他の6人は同年1~2月、男性に「どあほ」「ぶっ飛ばすぞ」などの暴言を吐いたり、扉をたたいたり蹴ったりする不適切行為をした。

 男性は服役中の同年3月に多臓器不全で死亡。遺族は、男性が心筋梗塞(こうそく)の症状を訴えたが刑務官らが適切な医療を受けさせなかったため死亡したとして、国に約3900万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴している。

 白川秀史・名古屋矯正管区長は「誠に遺憾で深くおわびする。再発防止の徹底を図り、失った信頼の回復と厳正な服務規律の保持に努める」とコメントした。

 同刑務所を巡っては、21~22年にも刑務官22人が受刑者3人に暴行や暴言など計419件の不適切行為を繰り返していた問題があり、法務省は23年、悪質性の高い刑務官13人を特別公務員暴行陵辱容疑などで書類送検(後に不起訴)した。【道下寛子】

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