オフィスチェアなどを安売りしないように小売業者に指示していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は26日、家具卸業の関家具(福岡県大川市)を独占禁止法違反(再販売価格の拘束)の疑いで立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。
同社は家具の小売りや卸売りを行い、2023年5月期の売上高は182億円。家具卸業では全国1位で、海外ブランドの代理店も務めている。
関係者によると、同社は遅くとも20年ごろから、同社が総代理店を務める台湾のオフィスチェアブランド「エルゴヒューマン」の商品を中心に、小売業者に自社が求める価格より値下げをしないよう圧力をかけていた疑いが持たれている。独禁法は書籍など一部を除き、小売業者に自由に販売価格を決めさせない行為を「再販売価格の拘束」として禁じている。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の増加で仕事用チェアの需要が高まる中、値崩れを防ぐ狙いがあったとみられている。指示に従わない小売業者には卸価格の引き上げや出荷の取りやめを示唆していた可能性もあるという。
同社の広報担当者は「立ち入り検査があったのは事実で、真摯(しんし)に受け止め、全面的に協力していく」とコメントした。【渡辺暢】
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