水戸地方検察庁=川島一輝撮影

 ネット交流サービス(SNS)上で東野篤子・筑波大教授(国際政治)を中傷したとして水戸区検が元警部の男性警察官(45)を侮辱罪で水戸簡裁に略式起訴したことが5日、地検への取材で判明した。処分は10月29日付。水戸簡裁は同日付で罰金30万円の略式命令を出した。

 起訴状によると元警部は2023年5月29日午後9時40分ごろ、茨城県つくば市の自宅で自身のスマートフォンから、東野教授が映し出された画像とともに「見た目からしてバケモノかよ。」とSNSに投稿し、侮辱したとしている。

 東野教授は20年5月から旧ツイッターを使用。22年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、テレビ出演での解説を巡って中傷を受けることが増えていた。

 捜査関係者や東野教授によると、男性警察官は投稿当時、県警本部の生活安全部に所属する警部だった。東野教授が23年5月に今回略式起訴された元警部の投稿に気づき、24年4月に刑事告訴。6月18日に侮辱容疑で書類送検されていた。

 東野教授は毎日新聞の取材に「略式起訴で一件落着ではない。中傷した元警部と偶然顔を合わせる可能性があり、不安だ。SNSを見ると私が刑事告訴したことについて『それくらい我慢できなかったのか』などの発言もあり、二次加害を行う人もいる。中傷問題の根深さを物語っているのではないかと思う」と語った。

 県警監察室は「個別の案件については答えを差し控える」とコメントした。【斉藤瞳、西夏生】

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