「私は耳が聞こえないです」と路上で声をかけ、日の丸が描かれた旗を500円で売りつける事例が那覇市内で相次いでいる。全国的にも数年ほど前から確認されていて、那覇市市民生活安全課は「不審な勧誘には十分に注意し、購入は慎重に判断して」と呼びかけている。

 28日午後2時ごろ、那覇市久茂地の路上で、若い外国人女性が男女5人の観光客につきまとい、旗を売りつけようとしている現場を記者が目撃した。女性に声をかけると「500円の旗を購入して私たちを支援してくれるとうれしい」と書かれたカードを示された。

 女性は翻訳アプリを使って「私はロシア人で生まれつき耳が聞こえません。観光のために日本に滞在しており、お金を集めています」と説明。「I Love Japan」と書かれた縦20センチ、横30センチほどの白地の旗を手渡された。

 那覇市条例では、つきまといながらの営業・客引き行為は禁止されている。

 目撃が相次いでいる第一牧志公設市場の粟国智光組合長によると、10月に入り苦情が5件以上寄せられている。中には外国人男性が複数人で売りつけている事例もあったという。

 出張で県内を訪れ、同市場周辺で飲食をしていた30代の男性2人は女性に声をかけられた。「何度も断ったが、10分以上しつこく話しかけてきたので購入してしまった」と困惑した様子だった。(社会部・垣花きらら)

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