滋賀県の近江八幡市立総合医療センター(同市土田町)は25日、女性准看護師(50歳代)の誤投薬で乳児が10日間入院する医療事故があったと発表した。
センターによると、3月11日午前、同市内の乳児が聴力障害の有無を調べるため耳鼻咽喉(いんこう)科に来院。脳反応検査にあたって鎮静剤の「トリクロリールシロップ」を飲む予定だった。
しかし、准看護師が同科内の冷蔵庫にあった「80%トリクロロ酢酸液」を誤って飲ませた。乳児が嘔吐(おうと)したので、小児科に同シロップを取りに行って飲ませた。乳児は帰宅後も不調で同日夕方、センター救急外来を受診。一旦帰宅したが、12日も口の荒れが目立ったため、再度受診しそのまま入院した。口腔(こうくう)内と下あご皮膚に炎症が起き、21日まで入院治療した。
同酢酸液は強酸性でできものなどを取り除くために使う。准看護師は「トリクロ」が共通する薬を取り違えて投与したという。また13日までこの事故についてセンター側に報告していなかった。
センターの白山武司院長は「考えられない薬の取り違えで深くおわびする。また医療ミス後すぐ対応する必要もあった。原因を徹底究明し再発防止に努める」と述べた。【伊藤信司】
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