旧優生保護法(1948~96年)下で国に不妊手術を強制されたとして、60代女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟は24日、神戸地裁(冨上智子裁判長)で和解が成立した。国が慰謝料1500万円を支払う。
旧法を違憲とし、国の賠償責任を認めた7月の最高裁判決を受けて原告側と政府が調印した和解の合意書に基づく個別和解。原告側弁護団によると、国側の代理人は「旧法が立法当時から憲法違反であり、優生手術という人権侵害を行い被害者の心身に長年にわたり多大な苦痛と苦難を与えてきたことを真摯(しんし)に反省し、心より深く謝罪する」などと謝罪したという。
2人は兵庫県在住で、いずれも聴覚障害がある。1人は81年、第1子の長女を出産した時に手術を強制された。もう1人は90年、第2子にあたる長女を出産した際に手術を強いられた。いずれも当時20代で、帝王切開での出産だった。
和解後、記者会見をした原告の1人は「きょうまで苦しいことがたくさんあったが、ようやく和解できた。今後、差別をなくしてほしいと強く願っている」と話した。【柴山雄太】
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