新型コロナウイルス対策の補助金をだまし取った罪に問われている岩手県雫石町の旅館「長栄館」の元社長らの初公判が4月25日、盛岡地裁で開かれ、元社長は起訴内容をおおむね認めました。

詐欺の罪に問われているのは、雫石町の長栄館の元社長・照井貴博被告(37)と、町内の食品メーカーフクオカ食品の役員・福岡加奈子被告(48)、それに宮城県の鳴子観光ホテルの元役員・大沼孝晶被告(41)です。

起訴状によりますと、3人はコロナ禍に苦しむ事業者の支援を目的とした農林水産省の補助金制度を悪用し、長栄館の照井被告が大沼被告から資金を調達したうえで福岡被告の会社から牛肉を仕入れたように装い、約5000万円を不正受給した罪に問われています。

25日の初公判で照井被告と大沼被告は起訴内容をおおむね認めた一方、福岡被告は意図的な不正受給への関与を否定し無罪を主張しました。

検察側は冒頭陳述で「照井被告は悪化した長栄館の経営を立て直そうと犯行に及んだ」「福岡被告と大沼被告は、加担した見返りに照井被告から金を受け取っていた」と指摘しました。

照井被告と福岡被告は別の詐欺の罪でも追起訴されていて、次の裁判の日程は今後決定されることになっています。

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