2023年4月、自転車のヘルメット着用が努力義務化されてから1年。ヘルメット着用率調査で宮崎県は九州で最下位でした。県内の高校では、生徒会が啓発しヘルメットの着用を呼びかける動きが広まっています。

(早瀬純哉記者)
「宮崎市の宮崎工業高校では校門にのぼり旗を掲げることで自転車のヘルメット着用を呼びかけています。」

宮崎工業高校は「自転車ヘルメット着用推進リーダー」に指定されていて、校内には生徒がイラストを手がけたポスターが貼られていました。生徒会も積極的に活動しています。

(宮崎工業高校生徒会長 関本一輝さん)
「生徒会11人全員がまずヘルメットを被って、それを広める活動をしている。」

しかし、現状は…。

(宮崎工業高校生徒会長関本一輝さん)
「(ヘルメット着用率は)体感で言うと1〜2割くらい。」

登校してきた生徒は…。

(ヘルメットを着用していない生徒)
「ヘルメット被ったら、汗をかくし髪の毛も崩れるから、それが嫌。あとダサいという理由でつけてない。」

(ヘルメットを着用している生徒)
「面倒くさいが、命を守るのに比べたら被った方がいいかなと思う。」

(宮崎工業高校生徒会長 関本一輝さん)
「まずは人数を増やすこと。校則にしないことを前提に少しずつ(ヘルメット着用を)広めていきたい。」

一方で、この春、4月から自転車のヘルメット着用が校則化された高校も…。

(早瀬純哉記者)
「宮崎西高校の駐輪場に来ました。ほとんどの自転車にヘルメットが入っています。」

谷口彰規校長によりますと、校則化は生徒会が生徒に働きかけたことや、保護者の要望が多かったことで実現したということです。

県内の高校で広がるヘルメット着用への動き。警察によりますと、去年県内で起きた自転車が絡む事故は418件。このうち亡くなったのは2人で、どちらもヘルメットを被っていませんでした。またけがをした407人のうち、ヘルメットを被っていたのは69人、17%にとどまります。」

(県警本部交通部交通企画課 小森誠課長補佐)
「令和5年(去年)の全国のヘルメット着用率調査では、宮崎は九州地区では7.7%で最下位ということが分かっている」

警察庁によりますと、過去5年間でおきた自転車の事故で、ヘルメットを被っていない人は、被っている人に比べ、致死率が1.9倍となっています。

(県警本部交通部交通企画課小森誠課長補佐)
「努力義務は罰則がないものであるが、道路交通法に定められている義務は義務。罰則がないからということで、(ヘルメットを)被らないという考え方はやめていただきたい。」

自転車のヘルメット着用の努力義務化は、生徒だけが対象ではありません。

(県警本部交通部交通企画課小森誠課長補佐)

「中高生も、なぜ自分達ばっかり言われるの?ということになっていまう。まずは大人から見本を見せることが大事だと思います」

県警では4月15日まで行われている春の全国交通安全運動で自転車のヘルメット着用の呼びかけを強化することにしています。

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