衛星通信サービス「スターリンク」を使った通信訓練を見守る自治体職員ら=徳島市万代町1の徳島県庁で2024年4月25日午前10時20分、植松晃一撮影

 米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」を使用する実証訓練が25日、徳島県庁であった。スターリンクは広範囲で通信障害が発生した能登半島地震の被災地で活用された実績があり、徳島県は3月に四国の自治体としては初めて3セットを導入。訓練には防災業務を担当する県内17市町村の職員30人も参加し、操作性を確かめた。

 スターリンクは、同社が打ち上げた地球から約550キロの低軌道を周回する4000機以上の衛星を利用する。従来の衛星通信サービスに比べ、最大数百倍の数の人工衛星をより地表に近い軌道で周回させるため、音声通話などに限られた従来のシステムと異なり高速通信が可能だ。能登半島地震では、スペースXと国内で協業するKDDIが被災地に無償でサービスを提供。避難所で無料Wi―Fi(ワイファイ)を開設するなど、災害復旧を支援した。

 徳島県が導入したシステムは1セット約43万円で、月50ギガバイトまでの通信量なら定額料金が3万7000円という。この日の実証訓練では、参加者がケースからアンテナなどを取り出してスタンドに設置。電源を入れると機器は人工衛星を探し、やがてアンテナが傾き北の空の方を向いた。その後、参加者が手元の携帯電話でWi―Fi接続を試していた。【植松晃一】

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