首都圏を中心に相次いで発生している闇バイトによるとみられる強盗事件。
一連の強盗事件では、複数の実行犯が逮捕されていますが、指示役についてはまだ特定できていません。
指示役は秘匿性の高いアプリで実行役に指示を出していて、そのアカウント名の中には「織田信長」や「夏目漱石」「JOJO」など歴史上の人物や、アニメのタイトルなどもあったということです。
指示役が使っていた通信アプリの「アカウント」について、フジテレビ社会部の上法玄解説委員と見ていきます。
使われていたアカウント名は、現時点で分かっているのは31。
「赤西」「橋口」「中川」「大谷」「松本」といった人の名前のようなものから、「Drヒルルク」「JOJO」などアニメのキャラクターのようなものもあります。
また、「G」「B」などアルファベットもありますし、「織田信長」「明智光秀」「徳川家康」など歴史上の人物もあります。
――指示役が複数いるのか?
複数の指示役が、複数のアカウントを持っていたと考えられます。
ただ、犯罪を行ってもよいと思っている人間を集めて、組織して、その集団を実際に動かすことができる人間がそんな無数にいるわけではないんです。
本当のリーダー格のもとに限られた数の指示役がいて、実行役を集めて複数のグループを作っていたとみられています。
また、31のアカウントのうち、6つが3つ以上の事件に関与しているとみられています。
時系列で見ると、「赤西」が8月末から3~4件。
そこから、9月には「小山ゆたか」「Drヒルルク」「ゴッサム」「B」。
10月は「夏目漱石」のアカウントが使われるようになったとみられています。
――なんで移り変えているのか。1つを使い続けないのか?
捜査の追跡を逃れるためということがまず言えます。ただ、1つの事件で使い捨てされていないわけですね。同じアカウントを何度も使っていることから、同じ指示役が組織した同じ実行メンバーによる同一グループによる可能性もあります。
特に時間的・地理的近接性が高ければ、同一グループによる犯行である可能性はより高いと思われます。
この「赤西」をご覧になっていただくと、8月27日から9月3日の集中的に4件が首都圏で起きていると。このように同じアカウントが3週間も使われていることから、同一グループではないか、という見方もあります。
――31のアカウント名の特徴から犯人像は浮かび上がってくるのか?
明星大学・藤井靖教授によりますと、「全く読み解けない文字列ではなく、(アカウントが)何かしら名前のような感じになっているのは、自分の存在や指示というのは、実行役に明確に認識させたいという意図を感じる」ということでした。
名前の特徴でいうと、「Drヒルルク」「ゴッサム」などは20~30代のデジタル世代、デジタルネイティブ世代の可能性があり、「赤西」「小山ゆたか」「B」などは、単なる名字やアルファベットのため、年齢層が上で40代、50代が使う傾向が多いという指摘でした。
――これだけの量のアカウントのことが分かってるが指示役までたどり着かないのか?
シグナルなどの匿名性の高い通信アプリが使われているので、指示役の特定が容易ではないといわれています。ただ、殺人事件まで起きているので、警察は、彼らの通信記録から何らかのボロをつかむ、尻尾をつかむために全力で捜査していると思います。
また、実行犯は指示役の単なる使い捨て、捨て駒といえます。必ず捕まるので怪しいバイトには、絶対にのってはいけません。
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