池田明弘さんの遺体が見つかった大和川=大阪府藤井寺市で2024年6月14日午前8時31分、斉藤朋恵撮影

 大阪府八尾市の無職男性が川への転落事故を装って殺害されたとされる事件で、殺人容疑で逮捕された知人男性のスマートフォンに、溺死方法などの検索履歴が残されていたことが捜査関係者への取材で明らかになった。府警は容疑者が水難事故に見立てるための計画を入念に進めていたとみている。

 逮捕されたのは大阪府富田林市の無職、井上司容疑者(61)。2023年12月4日ごろ、同府柏原市を流れる大和川に八尾市の無職、池田明弘さん(当時63歳)を何らかの方法で転落させ、殺害した疑いが持たれている。容疑者は「殺していない」と否認している。

 捜査関係者によると、府警が押収した井上容疑者のスマートフォンを調べたところ、12月に入ってから溺死の方法などを検索した履歴が見つかった。人が溺れてから死亡するまでにかかる時間などについて調べた形跡があったという。池田さんは12月15日、転落したとみられる場所から約500メートル下流で遺体で発見され、死因は溺死だった。

 池田さんが転落した付近の川の中からは、転落直前まで乗っていたとみられる自転車が見つかった。この自転車は容疑者が12月に購入し、池田さんに使用させていたことも府警の調べで判明した。府警は容疑者が池田さんの死亡を事故に見せかけるために準備したとみている。

 府警は、容疑者が池田さんの死亡共済金を得る目的で殺害したとみて捜査。ただ、容疑者は受け取りの手続きはしていなかった。【林みづき、斉藤朋恵】

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