追悼行事でともされたろうそくで浮かびあがった「わすれない」の文字=24日午後7時半、兵庫県尼崎市(代表撮影)

兵庫県尼崎市で平成17年4月、乗客106人と乗員が死亡し、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故は25日、発生から19年を迎える。JR西日本が現場に整備した追悼施設「祈りの杜(もり)」では24日夕から、「追悼のあかり」が実施され、人々が約750本のろうそくに火をともして犠牲者をしのんだ。

遺族らでつくる実行委員会が27年から続け、今回で10回目。安全が軽視されないよう訴える目的もあり、ろうそく入りの紙コップには、JR社員が書いたとみられる「絶対に事故を起こさない」とのメッセージも。遺族らが見守る中、「2005・4・25 わすれない」の文字が浮かんだ。

事故で義弟の中西聡さん=当時(34)=を亡くした実行委員長の上田誠さん(57)は終了後、「(JR西には)2度と大きな事故を起こしてほしくない。安全を経営の真ん中に置いてほしい」と求めた。

JR西では、記憶や教訓をどう継承するかが課題。大阪府吹田市の同社研修センターの敷地に、事故車両の保存施設の建設を進めている。

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