NHK放送センター=尾籠章裕撮影

 NHKは16日、旧ジャニーズ事務所(現「SMILE―UP.」=スマイルアップ)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、マネジメント業務を引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」のタレントの番組への新規起用を再開する方針を明らかにした。同日の定例記者会見で稲葉延雄会長が「被害者への補償と再発防止の取り組み、両社の経営分離が着実に進んでいることが確認できた。本日をもって制作現場の判断で出演依頼を可能とする」と述べた。大みそかの紅白歌合戦への出演依頼も含むという。

 性加害の事実を旧事務所が認めて謝罪した昨年9月以降、NHKと在京民放キー局5局のうち、NHKとテレ東のみが所属タレントの新規起用を取りやめていた。テレ東は今月3日の定例記者会見で石川一郎社長が起用を再開する方針を示しており、NHKの起用再開で、起用を取りやめるキー局はなくなった。

 スマイル社は9月30日、同社が昨年9月に設置した「被害者救済委員会」が1年間の活動状況をまとめた報告書を発表。999人が被害を申告し、うち504人と補償内容で合意したと説明した。【井上知大】

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