大阪弁護士会館=大阪市北区で2020年12月、服部陽撮影

 大阪弁護士会は15日、ロマンス詐欺の被害金回収をうたう広告会社役員らに弁護士名義を貸し、法律事務をさせたとして、同会所属の弁護士、川口正輝被告(39)=弁護士法違反で公判中=を2年間の業務停止とする懲戒処分を発表した。約1800人の依頼を受け、着手金は総額約9億円超に上るとしている。

 同弁護士会によると、業務委託契約を結ぶ広告会社から派遣された事務員が詐欺被害を受けた依頼者の相談に乗り、川口被告は対応せずに名義を貸していたと判断。複数の相談者が感謝するサイトの記載も虚偽とした。

 同弁護士会の申し立てに基づき、大阪地裁は2日、川口被告について破産開始を決定。決定が確定すると弁護士資格を失う。決定に合わせて選任された破産管財人が、着手金の返還を求める依頼者に公平に配当できるか川口被告の財務状況を調べる。専用のホームページで依頼者らに情報発信している。

 川口被告は同法違反(非弁提携)で起訴され、9月の初公判で起訴内容を認めていた。【土田暁彦】

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